第ニ回 Ai学会総会報告
2012年2月22日
Ai情報センター代表理事 山本正二
私が理事長を務めているAi学会が、2月4日に学術総会を開催したので、今回は、Ai学会について紹介させていただきたいと思います。Aiとはオートプシー・イメージングの略ですが、AI(Iを大文字)としてしまうと、人工知能(Artificial Intelligence)と重なってしまうため、あえてiは小文字にしてあります。
Ai学会は、2004年に第1回総会が開催され、今年で9回目です。海堂尊氏がAiの概念を提唱したのは2000年ですから、準備期間を入れるとほぼ、Aiの歴史とともに歩んできたといっても過言ではありません。現在、会員数は500名を超え、年に一度2月に開催される学術総会と、8月末に開催される夏期症例検討会(実際のAiの画像を持ち寄って、参加者で討論を行う)が主な活動となっています。
また、会員メーリングリストでの討論、質問、理事が月ごとに発表する1000字提言などの活動も行っています。
誰でも参加できる学会を目指しており、参加資格は特にありません。Aiに興味を持ってくださった方なら、大歓迎です。また、入会金2000円は必要ですが、年会費は無料です(総会に参加する方などは、会場費二千円程度)。このため、医師だけでなく、診療放射線技師、看護師、事務の方など、コメディカルの方も多数参加しています。是非、これを機会に、Ai学会に入会してみてください。
(詳細は学会ホームページをhttp://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/)
それでは実際に、どのような発表があったか簡単に解説してみます(発表の抄録も近日中にAi学会HPでアップします)。
今回のAi学会は大きく3部構成となりました。
実際のプログラムは、http://plaza.umin.ac.jp/~ai-ai/meeting/meeting_9_pro.html
を参照してください。
- 第1部 所見理論:5題
- 第2部 事例報告:5題
- 第3部 施設一般:5題
- 特別講演『Aiの現状と最近のトピックス』
という構成でした。
今回の学会の特徴は、昨年開設された、福井大学Aiセンターからの報告が5題あったこと。それから、医師、診療放射線技師ではない、亀田総合病院医療事務室からの報告があったことです。
まず、福井大学からの報告を見てみましょう。一演題目は、「福井大学医学部AiセンターにおけるAi診断と病理解剖診断から導かれる死因の整合性」これは、病理学教室からの発表です。福井大学のAiセンターは病理学教室の法木先生が中心となって設立されたセンターで、死体専用の、CT装置、MRI装置を備えています。医学教育のために解剖実習前にAiを行ったり、病理解剖前の全症例にAiを行っています。
この演題では、病理と画像の対比についての検討が行われています。
二演題目は、「院内剖検症例における生前最終画像(FAMI)と死亡時画像(Ai)との比較検討」とうものです。今の医療制度では、癌などに対して治療効果が無いと判断されると治療はほとんど行われません。それに伴い検査も行われることがほとんど無くなります。このため、生前最後の画像が死亡の三ヶ月まえ敷かないという事態が頻繁に発生します。生前最後のCT画像をFAAMIと名付け、Aiと比較しどのような所見の違いが出るかについて検討しています。その後、症例報告、最後のセッションでは、Aiセンター運営のためのシステム、それから、センター開設から1年の総括という内容でした。一施設から五演題というはとても珍しく、Ai学会ならではかなとも思いますが、今一番アクティブに活動している施設からの報告であり、福井大学がAiにかける熱意がひしひしと伝わってきました。
もう一つのトピックは亀田総合病院、診療部事務室の小倉氏からの「Ai(オートプシーイメジング)導入後の救急科臨床医の意識調査」というもので、Ai導入前後で、救急医の意識がどのように変わったかについて報告されています。
亀田総合病院は早くからAiに取り組んでおり、重要症例については、島根大学同様、Ai情報センターにコンサルトするという形を取っています。このため、検査読影費用に関して、事務の方が早期からAiに関与していたのです。今後、Aiが広まっていく場合、警察などの外部からの依頼についてもどうしても引き受けなければならない事態が発生するでしょう。その場合、交渉の窓口となるのは、おそらく病院事務の方々ではないかと思います。病院を守るためにも、また検査読影費用として一件五万二千五百円程度、保険診療外の費用として請求する病院が増えてきたため、病院の収益を上げるためにもAiは重要な役割を果たすのではないかと私は考えています。
まとめ
- Aiセンターが各地にできつつある!!
- 医療事務の皆さんも積極的にAiに関与しましょう。
- 皆さんもAi学会に参加してみましょう♪

2011年11月、福井のAiセンター開所式に呼ばれた時の写真です。中央が病理の法木先生、その左が海堂尊氏、著者、右側が放射線科の木村先生。ちょうど蟹の漁が解禁されたばかりでした。
執筆者プロフィール:山本正二
1992年、千葉大学医学部卒業、放射線科入局。放射線診断学を専攻する。頭頚部の画像診断、血管内治療を行っている。
2007年千葉大学附属病院にAiセンターを設立。また他施設からの読影依頼に対応するため、第三者組織としてのAi情報センターが必要と考え2009年に一般財団法人Ai情報センターを設立した。2010年4月からは千葉大を退職し、Ai情報センターの代表理事として活動している。2009年には、日本放射線専門医会・医会のAiWGの検討委員、Ai学会理事長、日本医師会死亡時画像病理診断(Ai=Autopsy imaging)活用に関する検討委員会、2010年には、第1回 死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会の検討委員にも参加している。

